題名と少し違いますが、
「マイケル・ムーアからブッシュに投票した皆様への手紙」を
翻訳してもらったものを、掲載します。
出所(ここを翻訳)
http://www.michaelmoore.com/words/message/print.php?id=185
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2005年9月11日 日曜
マイケル・ムーアより、ジョージ・ブッシュに投票したすべてのみなさまに宛てた手紙
拝啓、
ジョージ・ブッシュに投票したすべてのみなさまへ:
9・11四周年に当たり、私はみなさまがどのようなお気持ちでいらっしゃるのか、興味津々であります。
あの攻撃を受けて以降、みなさまが我々の指導者として選んだ人物が権力の座に居座り続け、FEMA(連邦緊急事態管理庁)の長官に馬術ショーの興行しか経験のない人物を据えたのをごらんになって、どのようなお気持ちでしょうか?
そう、馬術ショーの興行主。
ぜひともみなさまのお気持ちをお聞きしたいと思っております。
みなさまの安全に対して、ブッシュ氏が示したあからさまな侮辱をどのようにお考えになっているか、私は心から知りたいと思うのであります。どうか正直にみなさまの心情をお聞かせいただきたい。
アメリカで最も貧しい町の一つである、ニューオーリンズを襲った今回の災害は、町当局に責任があると声高にのたまわっても仕方のないことでございます。
民主党、リベラル派、クリントンへの嫌悪感はいかばかりかと存じますが、それはひとまず置いて、我が国の大統領が、あの9・11以降、馬術ショーの興行主を大災害や緊急時に国民を守る部門のトップに任命したことが、正しかったのかどうか真摯にお答えいただければと思うわけであります。
共和党員、保守派、ボーンアゲインクリスチャン、資本家、教条主義者、右翼等々、みなさまの立場はさておき、同じアメリカ人としてお話し願いたいと存じます。
我々の国は9・11以前よりも安全になったのでしょうか。馬術ショー興行主の下で緊急事態に備える任務を担っていた、ナンバー2、ナンバー3の人物が、実は全く経験のない人間だったと知って、それでも我が国は以前より安全になったとお考えでしょうか。
また国土安全保障長官マイケル・チャートフは国土の安全に関して全くの素人であります。このことを知った上で、我が国は以前より安全になったとお考えでしょうか。
軍隊経験がなく、従って戦闘で若者達が死んでゆく場面に遭遇したこともない人間が、我が国の若者を戦争に送り出しているのです。
そういった連中が戦争を指揮できるとお考えですか。そもそもありもしないイラクの「脅威」から戦場に駆り出された若者が、足を吹き飛ばされているということにどのような意味があるとお考えでしょう。
政府の重要な行政部門を民間企業に委託した方が、国民にとってよりよい結果が得られると本当にお考えでしょうか。
みなさんはなぜ連邦政府を毛嫌いするのでしょう。この25年間、みなさまは連邦政府を弱体化することを主たる目標に掲げた政治家に投票してきました。FEMAや陸軍工兵隊といった連邦政府機関を切り捨てることが、アメリカにとって良いことなのでしょうか、それとも悪いことなのでしょうか。良いか悪いかはっきりお答えください。
空前の財政赤字を抱えながら、金持ちに対しては減税をおこなう、そんな政策がいまだに正しいと言えるのでしょうか。ニューオーリンズの無数のホームレスが自分の家を持てるように、みなさまは私財を投じるご覚悟でしょうか。
イエス・キリストを信じますか。本当に? 我々の中の最も小さき者をいかに扱ったかによって裁きを受けるであろうと言ったのは、彼だったのではないでしょうか。ハリケーン・カトリーナは自由と正義の国であるはずの我が国を粉々にしていきました。
暴風が吹き荒れ、洪水が発生し、アメリカの貧しき者たちは置き去りにされ、死んでゆきました。一方その間、合衆国大統領はギターをかき鳴らし無為な時間を過ごした揚げ句、被災者に対して「パンがないならケーキを食べよ」と諭す始末。
これは冗談ではありません。ハリケーンが上陸して河川が氾濫した日、ブッシュ、ジョン・マケイン始め、リッチなお歴々はケーキを召し上がっていたわけであります。
自らが修復のための予算をカットした、その堤防が決壊した後も丸一日、ブッシュはカントリー・シンガーが彼に献呈した曲をギターでさらっていたのです。そうこうしている間に、ニューオーリンズの町は水に飲み込まれていったのです。
さらに一日経ってからやっと大統領は専用のジャンボジェットに乗りました。彼は窓から2500フィート下の惨状をちらりと覗いただけで、ワシントンDCのセカンドハウスに戻りました。連邦政府のわずかな援助物資と軍隊が送り込まれたのは、それからさらに2日後でした。
『私のヤギさん』を朗読する子供らを前に、しばし呆けたままボーっと空を眺めた7分間どころじゃありません。(訳注:映画『華氏911』を参照のこと)。丸4日の間、何もしなかったのです。まあFEMAのブラウン長官に、「ブラウニーご苦労さん」ぐらいのことは言ったでしょうが。
親愛なる共和党員のみなさまは、我が国が世界の笑い者となっている現状を情けないとは思いませんでしょうか。
そしてこの思い出深い神聖な日に際し、みなさまは01年9月11日に亡くなった人々を崇め奉るのでしょうか、それとも侮辱するのでしょうか。あの事件から何も学ばず現在でも、
あの目映いばかりの朝方と同じく全く無防備なままだとしたら、3,000人の犠牲者は犬死にだったということになります。
我が国が脆弱であるのは、テロリストや自然災害への対処に限ったことではありません。アメリカ人の8人に一人が極貧にあえいでいるというという現実を容認している点でも、我々は脆弱であり無防備だと言えるのです。
教育においても、6人に一人の子供は卒業できず、卒業した者でもその多くが筋の通った話をすることすらできない、このような教育制度を容認しているのです。中産階級ですら住宅ローンや医療費の支払いに窮し、4千5百万人もの人々がまったく健康保険に加入していないのが現実です。
我々は安全なのでしょうか。みなさまは自分が安全だと本当に感じていらっしゃいますでしょうか。みなさまは自分たちのまわりに垣根を張り巡らし、その中だけを動き回っているだけではないでしょうか。
みなさまが播いた種が垣根を壊し、天罰を求めるなんてことにはならないでしょうか。みなさんは安閑として座して待つのみですか。それともずっとほったらかしにしておけば、自然に腐ったり、自殺したり、汚物にまみれて死んでいくだろう。そうなればそもそも問題なんかなかったことになりますよね。
よくご存じのことと思いますが、みなさまはこの国に、そして世界に、その役職にふさわしくない男を送り出しました。そしてさらにこの男は、仕事のできない人々を雇い入れました。我々に対し、世界に対し、そしてニューオーリンズの人々に対しこのようなことをおこなったのはみなさまです。
どうか速やかにフィックスしてください。ブッシュはあなた方のものであります。我々の平和と安全のために、どうしてもフィックスしなければならないのです。何か良いご提案はございませんでしょうか。
私には良い考えがあります。それは乗馬ショーなんてもんじゃありませんよ。
敬具
マイケル・ムーア
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4年後、
「小泉純一郎に投票したすべてのみなさまへ」という手紙を
書かれなくて済むことを
、切に願います。
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